予期もしていなかった未払い残業代の請求をされたという企業様も少なくないかと思います。その際の対応を誤ると払う必要がなかった未払い残業代の支払いを行う必要が出てきたり、法的手続きに進展したりといったことになりかねません。以下では、対応についてご説明いたします。
このページの目次
1 未払い残業代を請求された時の対処方法
⑴ 請求された内容の確認
未払い残業代の支払い義務として請求されている内容もしくはその他相手方より請求されている内容の確認から入る必要があります。よくあるのが資料の提供を求められることがあるのですが、その資料の提供義務が本当にあるのか十分に検討する必要があります。
相手方が義務として、請求してきている未払い残業代について果たして正確なものであるのかを吟味する必要があります。そこを十分にせず漫然な支払いを行うことは不利な結果に繋がりかねませんのでお勧めしません。
⑵ 反論内容の検討
相手方の請求書面について十分な反論を検討する必要があります。例えば、請求されている残業代の一部が時効であったり、計算の前提となる事実関係に誤りがあったり、はたまた計算方法に誤りがあるといったこともすくなくありません。
その点を十分精査してみなさまにとって必要な反論を行う必要があります。
⑶ 協議
相手方もしくは相手方が依頼した弁護士と協議することになります。この段階で相手方に弁護士が就いているのであれば、少なくとも弁護士に相談されることを強くお勧めします。どうしても弁護士とみなさまにおいては知識差が存在しますのでそれによって不利な結果になってしまうのが正直望ましくないためです。
また、これで解決できない場合の法的手続きは、弁護士に協議段階で依頼していれば進展しなかったということも少なくなく、かえって費用が高くなることに繋がりかねずあまりお勧めしません。
⑷ 法的手続
労働審判や訴訟になりますが、こうなるとなかなかみなさまが進めるのは困難になります。ですので、この前の段階で弁護士への相談を強くお勧めします。
2 弁護士の役割や依頼するメリット
時効の確認及び請求内容の整理
弁護士の役割として、言うまでもなく弁護士は法律及び交渉のプロですので、それらの点について、十分な支援を受けることが出来ます。
言うまでもありませんが、法的主張の構成を行っていきます。その中で当然時効消滅していないかを当然確認しますし、請求権の存在を十分検討することになります。
その上で、適切な反論及び解決の道筋を立てていきます。それこそ、弁護士の役割として相談頂いた内容について解決に向けての青写真を描き、みなさまと伴走させて頂きます。
3 弁護士に依頼するメリット
特にこの種の分野について、弁護士に依頼するメリットは少なくありません。
⑴ 法的検討を十分行える
弁護士が事案について、分析し、提案を行うことが出来ます。その中でみなさまと協議して進めていくことになりますが、みなさまのお考えを尊重しつつ法的帰結を意識して事案の進行を意識できます。
⑵ 紛争に対する精神的負担からの解放
弁護士に相談することで道筋を把握し、進行を意識できますのでかなり精神的負担を減らすことが出来るかと思います。弊所の過去のお客様でももっと早く依頼してればよかった自分で悩んでいた時間がもったいなかったという方も少なくありません。
⑶ 早期解決に繋がる
一方に弁護士が就くと、もう一方に弁護士が就くことも少なくありません。そうなるといわゆる裁判例であったり実務慣行であったりを見据えた解決に向けた協議ができることが多いです。
これも過去の事案になりますが、当事者同士でかなり長い間やっていた事案が私が代理人となり、そのことで相手方も代理人となり、そこから早期解決に至ったという事案も相当数ありました。
4 早期の相談をお勧めします
特に未払い残業代については、計算がやや複雑な面があること、請求側は一定の金銭の結果が見込めることから弁護士が早期に介入することが少なくありません。弁護士を相手にご自身で対応するのは相応にリスクがありますのでお気軽にお問合せ頂けますと幸いです。