医療機関である病院(クリニック)、動物病院のみなさまにとって、ご自身の知見の成果である治療の対価が支払われないという状況は避けなければなりません。もっとも、どのように診療報酬債権を回収していくのが良いかご案内させて頂きます。
このページの目次
1 診療報酬を債権回収していくのは簡単ではありませんのでお気軽にご相談ください
支払督促が功を奏するとは限りません
診療報酬の未払いに悩まされているみなさまは、過去に支払い督促を行ったことがあるかもしれません。しかし、支払督促は、その性質を理解せず安易に利用して良いものではありません。以下では、支払督促の性質を概観します。
(1) 請求異議が出されると、通常訴訟に移行してしまう
請求異議の限りであれば、書類をしっかり揃えるというものです。ただ、この書類の取集、申立書の記載も慣れていないと大変です。独特のルールについて、理解するのも難しいです。
このような難解な支払督促の申立てをクリアしても結局「異義」が出されると、みなさまの苦労自体が水の泡になりかねません(弁護士としては事実経過の把握に対して大変参考になるのでありがたいのですが…)。
通常訴訟は、特殊なルール等もあるので弁護士以外が対応するのは難しく、ご自身で進める前提であれば、例えば少額訴訟等の選択肢もあるので、その検討を十分考えるべきです。
結局のところ、慣れない部分である程度委託した方が早い部分についてはその道の専門家に任せた方が早いですし、時間効率もいいのではないかというのが私の考えです。
(2) 請求異議後の裁判所は相手方住所地になること
通常診療報酬について、訴訟提起をおこなうと、普通裁判籍の被告住所地(民事訴訟法4条1項)及び義務履行地である原告住所地(民事訴訟法5条1号)のいずれでも裁判を行うことが出来、多くの場合原告住所地(法人であれば本店所在地)で行うことが多いです。
しかし、請求異議後の通常訴訟については同一の裁判所で行われかつ請求異議の管轄(平たくいうとどこで裁判がなされるかです)は、相手方の住所地です。そうなると、通常訴訟も相手方住所地で行われることになってしまいます。
このように請求異議の手続を行うに至っては、管轄のリスクも十分考慮する必要があります。
2 請求における流れ
診療報酬の債権回収のおける流れは概ね以下の流れになろうかと思います。イメージをもって見て頂けますと幸いです。
(1) 病院(クリニック)、動物病院のみなさまとのご面談
相談時に概要を確認の上、どういう方向で進めるのが皆様にとって良いのかをご相談時にご説明差し上げます。その時にお伝えする方針を踏まえてご検討されることをお勧めします。
(2) ご契約後、債権回収の開始
中村法律事務所の方針にご納得頂けましたら、委任契約を締結させて頂き、実際の債権回収に着手させて頂きます。なお、例えば少額債権が相当数ある場合などは、
- 顧問契約で調整させて頂く
- 支払いの催促についてひな形を弊所で調整させて頂く
それでも支払いがなかったもののみ実際に弁護士での対応を行うといったようにみなさまにカスタマイズした対応をさせて頂きます。
(3) 交渉、裁判
相手方への書面を送付後、協議、それに折り合いがつかなければ裁判を行うといったものになります。みなさまの知見の対価の権利を確保することに努めます。
(4) 具体的債権回収
権利確定後、支払いがなく裁判上の決定があれば、強制執行を行うことが出来ます。それこそ、回収までしないと意味がありませんので、当然そこまでの対応をさせて頂きます。具体的内容は契約時にお話させて頂きます。
3 診療報酬については一度ご相談をされることをお勧めします
~ 中村法律事務所は初回無料で対応しております ~
何となく支払督促を行うと、後から不測の事態といったことも生じかねません。もちろん支払督促の性質を十分に理解して行われるのであれば全く問題ございませんが、そもそも法の精度が少し複雑ですので、一度お気軽にご相談ください。
ご相談の際に、方針や見通しをお伝えしますのでお気軽にお問合せ下さい。